横尾寿永堂は明治35年創業の印刷屋さん。岡城さんは、小柄な身体で大きな印刷機を大胆に繰り回す姿が印象的な、頼もしい仲間です。
九ポ堂版と違ってこちらは印刷機ですから、よりスムースに大量の印刷が進むかと思いきや、これはこれで大変。インキの温度によって刷り上がりが変わってきたり、ブロッキング防止パウダーが舞って凸版に付着することで文字がつぶれてしまったり…。
あまり受けることのない仕事、それでもめげることなく試行錯誤しながら、コツコツ、丁寧に仕上げてくださいました。
横尾寿永堂版にはこの版の、独特の思い出が詰まっています。